鳩林荘 | 府中まちコム
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作成日 2014.12.10

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

鳩林荘

鳩林荘2014年12月10日(水)
 そこにあるということはわかっていても密に茂った生け垣の隙間から中を窺うこともできない、神秘のヴェールに包まれた秘密の花園、鳩林荘。その見学ツアーの抽選にやっと当たった。

 鳩林荘は大正時代に東京府知事によって茶庭として作られ、ブリジストン創業者石橋正二郎氏の所有を経て、現在は石橋財団が管理し、地域住民や外国人の見学団体を受け入れたり、賓客の接待を行ったりしている。

 楽しみにしていた見学会だが、すでに紅葉の季節を過ぎ、樹齢500年のケヤキもすっかり葉を落としていた。春もツツジくらいで花が咲き競うことはないらしい。けれど質素なくらいでよいのだろう。崖線という立地を巧みに利用した散策路、池の畔、芝生広場のそこかしこに着飾った招待客が歓談する光景は花より華やかに違いない。

 もっとも、ガーデンパーティが開かれるのは今は年に数回ほどだという。それを仕切るのが管理人さん(とお呼びしてよいのか)、上品で、話術巧み、外国語堪能。客を招くときは料理の細部まで目を光らせ、植栽の世話から、ハクビシン、スズメバチ、カルガモの赤ちゃんに至るまで日夜気配りを欠かさない。

 思い起こすのはひところ人気を呼んだイケメン執事ドラマ、はたまた「ダウントン・アビー」。私達に楽しんでもらおうと、昨日も今朝も水面にたまった枯れ葉をさらってくれたという。かっこ良すぎる!

(関口まり子)