府中崖線 | 府中まちコム
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作成日 2015.02.25

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

府中崖線

滝神社2015年2月25日(水)
 多摩川と国分寺崖線の間に府中崖線と呼ばれる段丘があり、国立市あたりから府中を西東に貫き、小田急線の狛江付近まで約16キロにわたって伸びている。崖線の南部は後関東ローム段丘面と多摩川沖積面だ。

 近くの国分寺崖線が有名だが、府中崖線もかつての多摩川の流れが残していった浸食跡であり、高さ数メートルの崖線(ハケ)沿いの緑が比較的多く残されている。

 崖線沿いには市川緑道、大国魂神社、武蔵国府八幡宮、鳩林荘、滝神社、東郷寺などが点在し、これらを巡るウォーキングも楽しい。

 府中市は崖線を「保全地区」に指定しているが、ほとんどが民有地のために常に開発にさらされたり、緑を巡って周辺住民とのトラブルも…。

 崖線にはかつて豊かな湧水が湧き出しており、「御滝神社」のようにくらやみ祭を司る神官が禊ぎをしたことでも知られる。写真は、現在の滝神社の様子で、府中崖線のなかでも最も緑がよく残っている場所だ。

 東京都の名湧水57選にも選ばれた「西府町湧水」のように、湧水も開発で今ではほとんど絶えかけた状態となっており、アカマツとケヤキ、クヌギなど緑の保全とともに、小金井市など北側自治体の雨水浸透対策の徹底と普及が求められる。

  「NPO法人府中かんきょう市民の会」は2006年から「西府町湧水の水量・水質調査」を府中市から受託し、湧水量と水質調査を行っている。

(舘 浩道)