とっておきのはらっぱ

2015年12月9日（水）
　師走に入った。カレンダーがどんどん用事で埋まっていく。体力を過信すると風邪をひき、やることリストはなかなか片付かない。おまけに夫婦げんかも多くなる。

　外に目を転ずると、紅葉の美しい季節だ。落ち葉をゆっくりと踏みしめて深呼吸したい、と思ったら武蔵野の森公園が浮かんだ。

　府中と調布、三鷹の三市にまたがる広大な敷地内に、雑木林やカモの飛来する池、飛行場を眺める丘など見所はたくさんある。しかし、一番の目当てはなんといっても、目の前を遮るもののない芝生のはらっぱだ。週末に訪れても、近隣の野川公園や小金井公園ほど混んでいない。ボール遊びも気兼ねなくできる。平日は紙飛行機を楽しむシニアや愛犬家の方、小さな子を連れたママたちで、非常にのんびりとした時間が流れている。

　ここへ着たらまず子どもと芝生を駆け回る。そして寝転ぶ。飛行機と空、草花を眺める。それだけで力が湧いてくる。芝生を囲むように植えられたサクラやケヤキ、イチョウが、真っ青な空の下で赤や黄色に輝いている。たまった用事のあれこれも、なんとかなる気がしてくる。視野が広がったのははらっぱのおかげだろうか。「どうかこのまま混まないでほしい」密かに願っている。

武蔵野の森公園 （北地区）
【所在地】府中市朝日町三丁目・調布市西町・三鷹市大沢5・6丁目
【交通】西武多摩川線「多磨」駅から徒歩5分
三鷹駅南口より「朝日町または車返団地行き」野水一丁目下車2分

（中村綾子）