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作成日 2017.02.11

この記事の分類 府中絵日記, 美術・工芸

チクチクぬいぬい 曽根光子個展

チクチクぬいぬい曽根光子個展2017年2月11日(土)
 散歩途中に通りかかった幸町のカフェDODOのドアに「チクチクぬいぬい」の案内を見つけ、2階のギャラリーにお邪魔した。

 白いオーガンジーに赤や青の布片とビーズを同色の糸で縫い付けた小品に加え、数十枚つなぎ合わせて1枚に仕立てた大作が壁面に展示されている。未完成のように見えるのは来場者が少しずつ足していく仕掛けになっているからだ。数人の女性が針を動かし、作品をつなぎとめる作業をしていた。

 オーガンジーは透ける。重ねたハギレも薄いので水彩絵の具をハケで刷いたように見える。針目は点線ではなく、つながった線に見える。渦巻きや波形の線は軽やかで動きがあり、眺めているとどこか遠くの南の島に連れていってくれそうな気がしてくる。

 聞くと、大島滞在中に発想を得たとのこと、なるほどと合点がいった。
「今、絶好の日差しなんですよ」と作家の曽根さん。
 陽光降り注ぐガラス窓に吊るされて風に揺れている作品は確かに春の潮風を運んでくるようだ。

 布と糸がこんなにも豊かな表情を持つとは、ちょっとした驚き。小さなハンカチくらいなら「チクチクぬいぬい」をこっそりまねしてみようかなという気になった。

(関口まり子)