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作成日 2017.06.10

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

食べられない実のなる街路樹

あんずの木の警告板2017年6月10日(土)
 近所の人が緑町の杏通りで拾ったという杏の実をお裾分けしてくれた。そろそろ時期が終わるというので友人達に声をかけたら、急にもかかわらず数人が集まった。

 杏は木の上の方にまだ少し残っていて、強い風が吹くたびにパラパラと落ちてくる。通りを往復して拾っただけでもかなりの量になった。ジャムにしよう、ソースにしてヨーグルトに入れるとおいしい、皆うれしそうに語る。動脈硬化を予防すると薀蓄を披露する人もいる。

 用意した袋がずしりと重くなり、そろそろ引き上げようという段になったとき、自転車で通りかかった男性が気の毒そうに、けれども少し皮肉っぽく笑いながら声をかけてきた。
「ここの杏は食べられないよ」
 彼は近くの木にくくりつけられていた警告板をあごで指した。
「あんずは殺虫剤で消毒しています。食べないでください!」

 袋の重みがいっぺんに増したように思われた。
「子供には食べさせないということでちょっとだけジャムにしてみようか」
「でも長生きした末に、それを食べた影響が出て来るのも困るわね」
 一同だんだん口数が少なくなった。

 近くの公園で1個だけ洗ってから、毒入りだよ、自己責任だよと言いながら分け合って食べた。心底まずかった。

(関口まり子)