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作成日 2017.06.28

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

名残りのイチョウ

第一小学校西側のイチョウのひこばえ2017年6月28日(水)
 第一小学校西側通路のイチョウ並木にずっと愛着を感じていた。突然1本残らず伐採されたと知ったときは、伐らねばならぬ理由もあったのだろうと思いつつ、複雑な思いにかられた。今日通りかかったら、根っこから脇芽がたくさん出て、生きたいと言わんばかりに茂っていた。

 昔、交通の激しい幹線道路沿いのビルの5階に住んでいたことがある。ある朝、呼吸がどうにも苦しくていつもより早く目覚めた。異様な臭気。とにかくこれを外に出さなくてはと窓をあけると、イチョウ並木が忽然と姿を消していた。5階の窓に届くほどの大木が一晩のうちにすべて根ごと抜き取られていた。排気ガスの匂いと淀んだ空気が街路を覆っていた。

 晩秋の頃、掃いても掃いても果てしなく溜まっていく落ち葉は商店街にとって悩みのタネであった。当時は地球温暖化などという用語もなかった。伐採もまあ仕方ないと思った。あの重苦しさを体感するまでは。

 空気を浄化するフィルターの役目を木々が担っていることを実感した身としては、府中の緑がかけがえのない宝のように感じる。みどりの府中の「みどりの」が削除されないことを願わずにいられない。

(関口まり子)