2017年9月13日(水)
料理が好きだ。酒の肴は自分で作りたいと思う。好きなものを好きなふうに食べたいから。狭い我が家ではリビング・ダイニング・キッチンがこじんまりしたワンセットなので男子は常に厨房の圏内に入ってしまっている。自然と、苦情も多く受けることになるが。
私が調理に愛用しているのは女性の手にすっきり収まる小ぶりの包丁で、近頃筋力がめっきり衰えて簡単な副菜しか作らない私にはぴったり。
切れ味が悪くなると遠方の包丁店に送って研いでもらっていたが、シルバー人材センターのちらしに「刃物研ぎ行います」の文字を見つけ、頼むことにした。
刃物研ぎは数カ所で出張サービスが行われているらしいが、寿町3丁目の「ふれあい会館」では第1、第3水曜日に受け付けている。2本持っていった。人気らしく順番待ち。いったん預けてから受け取りに行った。
帰る道々、9月というのに枯れ葉がはらりと目の前に落ちてきた。わびさびを見る思い。風流人よろしく、和服にたすきがけで包丁を巧みに使いこなす自分の姿を幻想した。
(田中則夫)