寿町市民プールの夜は更けて | 府中まちコム
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作成日 2012.08.10

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

寿町市民プールの夜は更けて

府中市民プール2012年8月10日(金)
 水泳は得意ではないが、浮き輪に身を委ねてプカプカ浮かんでいるのは心地よい。年配の女性が一人で入って、のんびり漂っていても違和感がない、市民プールの夜間開放。この田舎的感触が好きだ。

 数年前までは飛び込みも自由で、今よりもっと牧歌的だった。闇が濃くなると木々のシルエットがプールのまわりを取り囲む。蝙蝠が舞う。昆虫の死骸や枯葉が、泳ぐ口元に流れてくる。その風景が好きだ。

 プールは地球温暖化と健康志向のせいで人が増え、いくらかにぎやかになった。ちょっぴり悔しいことに、けやき通りに最近建った高層マンションの窓の明かりも目に入ってくるが、それでも、とっておきの秘密プレイスであることに変わりはない。ちょっと涼しい日はやっぱり人影まばらで、いい気分。何より、50メートルを気兼ねなく縦に泳げるのがよい。

 今夜はアベックが、見たところ一組だけ。親子連れがちらほら。その傍らを、水泳好きの連中が黙々と往復する。

 メタボの身体を薄闇に隠して私もゆっくりと泳ぐ。本日脂肪微量燃焼、こっそり満足。

(関口まり子)