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作成日 2019.04.21

この記事の分類 府中絵日記, 習い事・スクール

第117回TAMA市民塾日曜講座「武蔵野にまつわる文学」

TAMA市民塾日曜講座

2019年4月21日(日)

  府中市の「多摩交流センター」で 平安・鎌倉時代に焦点を当てた文学講座があり、小野小町をとり上げるというので聴きにいった。小町は実在の人物らしいが、生い立ちも名前も諸説あり、謎に包まれている。前々から興味を持っていた。

 よく知られているのは、花の色はうつりにけりな…という百人一首の歌。歌人としても有名で絶世の美女とされるが、美貌を鼻にかけて人を見下してばかりいたので、年老いて容色が衰えると周囲から見捨てられ、さすらいの果てに野垂れ死にした。彼女が流れ着いたのが武蔵野の地なのだそうだ。『医王山縁起』には小町が国分寺の真姿の池で皮膚病の治療をしたとの記述があるという。初めて知った。

 弘法大師は『玉造小町壮衰書』で晩年の小町を、老いさらばえて顔はこけ、凍った梨のようにシミと皺だらけ、歯は黄色く、歩くこともままならないと描写している。この書が小野小町のイメージを著しく下げたという説もあるらしいが、美貌や才能を鼻にかけて過去の栄光にすがり、周囲を見下してばかりいると最後は悲惨なことになるという教訓話としては現代にも通じると思う。

(田中則夫)