「市民アーカイブ多摩」の緑陰トーク | 府中まちコム
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作成日 2021.07.24

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

「市民アーカイブ多摩」の緑陰トーク

2021年7月24日(土)
映画製作の経験も知識もない素人のおばさん達が40分ほどの映画をゼロから作り上げた。その体験を語る会が開かれると聞いて、立川市内の「市民アーカイブ多摩」へ。

「市民アーカイブ多摩」は旧家の一角を借りて市民グループが運営している市民活動資料の整理保存施設。着いたときはすでに満員状態で、けっこうな熱気。関心の高さがうかがわれた。

「みんなの憲法」という題名から、憲法をやさしく解説した啓蒙映画を想像していたが、予想はいい意味で裏切られた。明治期に「五日市憲法」の草案を作った千葉卓三郎が、憲法の宿題に悩む女子高生の前に現れる場面から始まる、本格的なドラマ仕立てで、草案を発見した新井勝紘さん自ら制作に協力し、登場もする。

話し手の羽村幸子さんは仲間と憲法の勉強会を開くうち、映画作りを思い立ったという。映画も十分に魅力的だが、羽村さんの快活でユーモアあふれる話しぶりにも圧倒された。

数々の「ミラクル」が続いて完成にこぎつけることができたのだと語るが、「ミラクル」は起きたのではなく、彼女たちが呼んだのである。映画作りに限らず、「これだけは伝えたい」という強い思いは、技術や知識に断然まさるということだろう。

(関口まり子)