コロナの落とし子 | 府中まちコム
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作成日 2022.05.12

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

コロナの落とし子

2022年5月12日(木

バラが咲いた。このバラは一昨年5月、新型コロナウィルスの感染拡大で世の中が騒然としていた時期に、暇なので挿し木に挑戦し、最後まで生き残った1本である。

もともと園芸には興味がなく、自他ともに認める「枯らし名人」だが、10年ほど前に栄町のケイヨーデーツーで激安見切り品のツルバラの苗木を衝動買いした。これが意外と丈夫で、ろくに世話もしないのにみごとに成長した。

それがヘタってきたので捨てる前にと、枝を適当に切って植木鉢に挿しておいたら、葉が真っ黒になってただの棒になった。

そこで、ネットで見た方法に従い、挿し木用の容器と培養土と発根促進剤を買い込んで再挑戦したのがちょうど2年前。20本の小枝を毎日観察していたのだが、まともに育ったのは1本のみ。植木鉢に植え替えはしたが、いかにも頼りないので半ば見捨て、ときどき水をやるだけになっていた。

最近、その丈が1メートルを優に超え、蕾がいくつもついたが、おおかたは固いまま枯れ落ち、葉にも斑点が出た。あわててベランダに転がっていたスプレーをかけまくったら、なんと、最後の蕾が開いた。

なぜか親の方は捨てられてはたまらんと言わんばかりに勢いを盛り返した。ベランダのバラ園、今真っ盛りである。

(関口まり子)