君はジビエを食べたか | 府中まちコム
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作成日 2022.07.30

この記事の分類 府中絵日記

君はジビエを食べたか

2022年7月30日(土)

プラッツで開かれた「日本一役に立たない!?教養講座」拝聴。講師は農工大の林丈雄氏。ジビエの話と聞いていたので、グルメ情報かと思っていたのだが…。

猪、猿、鹿などの野生動物による農作物被害や人的被害が増えている。害獣と見なされた動物は駆除され、処分される。単にゴミとして処分するのではなく、敬意をもって、価値あるものへ育み、有効に活用しよう、そんな計画が茨城県大槌町で進められた。その名も「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」。

ジビエ勉強会から始まった取組みは多様な人々を引き寄せた。人材が育つ。頑迷と思われていた組織が動く。町の産業としての可能性が開け、遠方まで波紋が広がる。そのドラマチックな展開を講師の林さんは弁舌さわやかに語る。

次から次へと襲ってくる難題をクリアしながら仲間を増やして進んでいく。秀逸な動画も手伝って、まるでゲーム型大冒険アニメを見ているよう、夏バテが一気に解消された。

これは東日本大震災と原発事故で甚大な被害を受けた小さな町の再生の物語でもある。現地に入り込み、状況を分析し、設計図を描き、人をつなぎ、組織をまとめあげたコーディネーターの存在の重みをジワーッと感じた。

(関口まり子)