葵の会公演「青鞜の女たち」 | 府中まちコム
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作成日 2024.06.15

この記事の分類 府中絵日記, 映画・演劇

葵の会公演「青鞜の女たち」

2024年6月15日(土)
府中市中央文化センターの「ひばりホール」で、明治末期から大正にかけて活躍した女流文学者達の群像を描いた劇『青鞜の女たち』を見た。

登場人物は平塚らいてう、与謝野晶子、松井須磨子、長沼(高村)千恵子、神近市子、大貫(岡本)かの子、田村俊子など。それぞれ小説や評論の題材となり、映画などでも再々とりあげられる、一癖も二癖もある連中だ。田村俊子などは友達になりたくない部類の人だが、作家としての陰影が深く描かれていて魅力さえ感じた。

劇は女性差別撤廃や女権拡張を声高に主張するという作りではないが示唆に富んでいる。ジェンダーギャップランキング(2024年、WEF発表)で日本が118位とされるような状況の今、この劇の上演は時宜を得ていると言えるだろう。

葵の会は多摩交流センターの講座「俳優してみませんか」の卒業生が結成した劇団とのこと。熱意を感じるが、程よいゆるさも心地よい。劇中、与謝野鉄幹が朗々と「妻をめとらば才たけて~」、また松井須磨子が「カチューシャかわいや~」と歌うなどサービス満点で、休憩をはさんだ2時間を飽きさせない。いっそ「12人のイカれた女たち」というタイトルでミュージカル仕立てにしたら受けるかもと、まじめに、思った。

(関口まり子)