やっぱり猫が好きかも ー 「橋口五葉のデザイン世界」 | 府中まちコム
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作成日 2025.06.13

この記事の分類 府中絵日記, 美術・工芸

やっぱり猫が好きかも ー 「橋口五葉のデザイン世界」

2025年6月13日(金)
府中市美術館で開催中の展覧会「橋口五葉のデザイン世界」へ。美術館の南側ガラス面に貼られた『吾輩ハ猫デアル』の装丁画に目を引かれた。猫人間とも呼ぶべき怪猫が人間たち(人形のようにも見える)を手玉に取ってせせら笑っているような絵。書物の中身とは関係がないような、あるような。この奇抜さに惹かれて本を買い求める人も昔は多かったのだろうか。

橋口五葉は明治14年に鹿児島市で生まれた。もともと絵の才能に恵まれていたようで、東京美術学校などで学んでおり、漱石や泉鏡花などの本の装丁で才覚を表した。女性画も大きな人気を呼んだという。

展覧会では橋口五葉の多岐にわたる取り組みが一覧できる。創作活動がとにかく多彩だ。好奇心、探究心、こだわり、しつこさ…。「猫」の装丁にもその気質がしっかり反映されていると思った。

(田中則夫)