府中まちコム

この記事について

作成日 2019.12.01

この記事の分類 衣料品, 買物レポート

蔵ショップ「とわ樹」

2019年12月1日(日)

 おしゃれな藍染の店が小金井市にあると聞いて訪ねた。府中市の隣だから近いと思ったが、武蔵小金井駅北口からとっとこ歩いて10分ほど、意外に遠かった。

 藍染の織物に惹かれるのは、季節を問わず着られて、洋風の生活にもなじみ、色合いに飽きが来ないからだ。藍には美肌健康効果もあると、以前見学した藍染工場の職人さんが藍がかった手を見せながら教えてくれた。

 店の女主人が長年の経験で得た知識と眼力で集めた貴重な布類は眺めるだけでも楽しい。どれも気の遠くなるような工程を経て作られている。簡単に買えるような金額ではなかろう。申し訳ないが眺めるだけで帰ってこようと思っていた。

 ショップの奥は工房になっている。仕入れた反物で衣服や小物を作っているという。縞木綿の帽子を試しに被ってみた。買うつもりもないくせにと心の声が叫んでいるが、つい、あれも、これも。

「こっちの方がいい」と同時に声が出た。
「それ、お世辞でしょ」
「いや、私、お世辞は苦手なんで。お客様に似合わないと思ったら、黙っちゃうんです」

 はじめはとっつきにくい方だなと思っていたが、はにかんだような笑顔に思わず釣りこまれた。ここで会ったが百年目。衝動買いに走った。

(関口まり子)