小倉美惠子『諏訪式。』亜紀書房分倍河原で売れている本 03 | 府中まちコム
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作成日 2021.03.16

この記事の分類 府中絵日記

小倉美惠子『諏訪式。』亜紀書房
分倍河原で売れている本 03

2021年3月16日(火)

諏訪式。

諏訪、と言われてどこの地域かすぐ答えられるだろうか? 長野のあたり……、くらいまではご存知の方も多いかもしれない。長野県南信地方で、諏訪市・岡谷市・茅野市・諏訪郡(下諏訪町・富士見町・原村)を擁する地域を指す。

本書は、その諏訪を舞台にどのような人材が輩出されたのか、またその背景としての土地の魅力を描く。もちろん、諏訪にそうした力や要因があるのだけれど、この本を通して考えさせられるのは、どの土地でもこのように丁寧に見ていけば、その土地土地の良さと人が見えてくるのではないか、ということだ。

その重要なポイントのひとつが「今の有名人」だけではなく、土地の歴史的な経緯を丹念に追っていること。そして作者は「このように土地にしっかりと根をはり、自らのバックボーンを力として生きる人々」を「軸足のある人」と定義する。

まだ分倍河原に今年芽吹いたばかりのマルジナリア書店も、しっかり府中に「軸足のある」店、人として土地と結びついていきたい、という気持ちを新たにした。

(小林えみ)