府中市民体育大会パレード

2012年9月16日（日）
　市民体育大会秋季大会の開会式で、第一小学校のマーチングバンドが行進すると聞き、朝から我が子の写真を撮りに出かけた。連休の中日で曇天だったためか、早朝というわけでもないのに駅前は閑散としていた。

　ケヤキ並木の石垣によじ登ってカメラを構えて待っていると、遠くから聴き覚えのある懐かしいメロディがだんだん近づいてくるのが分かる。
　ほどなく体育大会の関係者と思しき方々が眠そうに旗をもってやってきた。後ろからラッパの音を鳴らしながら、立派な衣装に身を包んだ小さな身体の音楽隊が続く。バンド結成されたばかりの春に比べると、演奏もなかなか聴けるものになっていた。

　父兄や関係者と思しき見物客も塊となって押し寄せてきて、ビデオカメラを手にしたお父さんは子供の姿を撮るために小走りし、奥様方は立ち止まって挨拶に忙しい。花見時のように混雑したさくら通りを、大騒ぎの人ごみに混じって歩いて行き、パレードが陸上競技場へ曲がるところまで見届けた。

　帰ろうとして振り返ると、なぜだか急に通りの人気が失せ、あたりは静かな朝に戻ってしまっていて、なんだか夢を見ていたような怖いような、不思議な気がした。

（浅田るい）