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作成日 2016.04.11

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

寿町のすみれの花

すみれの花
2016年4月11日(月)
 仕事を終え、地下鉄と京王線を乗り継いで府中駅に降り立つとほっとする。駅からさほど歩かない道端に、今日は、散った桜の花びらに埋もれるようにすみれが咲いているのを見つけた。

  春の野にすみれ採(つ)みにと来(こ)しわれそ
  野をなつかしみ一夜(ひとよ)寝にける

 万葉集にある山部赤人のこの有名な歌は、春の野にすみれを摘みに来たがあまりに心地よいのでついそこで一晩寝てしまったと解釈されている。遠い万葉の時代の、春霞たなびく野原の光景が目に浮かぶようだ。

 梅原猛の『赤人の諦観』には、すみれは女性を指すとある。つまり、春の野に出てナンパした女性と一夜を過ごしたということ。そんな解釈もあったと思い出しながら、のどかに咲く紫の花にしばし見入った。

(田中則夫)