浅間山のムサシノキスゲとキンラン | 府中まちコム
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作成日 2015.05.02

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

浅間山のムサシノキスゲとキンラン

浅間山のキスゲとキンラン2015年5月2日(土)
 府中市若松町5丁目の浅間山(せんげんやま)だけに自生するムサシノキスゲとキンランが見ごろを迎えた。

 浅間山は、多摩の台地が古多摩川や他の河川で削られ、小高い丘(標高80m)として残ったもので、堂山、中山、前山の3つの頂をもつ。1970年に都立公園となり、武蔵野の面影を残すコナラ、シデなどの雑木林でおおわれ、浅間山自然保護会により保全されている。

 ムサシノキスゲはニッコウキスゲと似ているが、ニッコウキスゲの変種で、暖地の気候に適応し4月から5月頃咲く。東京都レッドデータブックの絶滅危惧種でもある。

 いっぽうキンランは、ラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種で、山や丘陵の日の当たる林の中に生える。茎は直立し、高さ30~70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。

 花は全開せず、半開き状態のままで、花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。こちらも環境省の絶滅危惧II類に指定されているが、中国、朝鮮半島、九州から関東にかけて広く分布する。

(舘浩道)