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作成日 2018.06.10

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

梅雨空にパッカーン、蓮の花開く

蓮の花2018年6月10日(日)
 朝の散歩の途中、蓮の花が咲き始めた池の淵を歩いた。南方熊楠の「蓮の花開く音を聴く事」という書に、万延元年生まれの女性が孫に語った話として、蓮の開花する音を聞けば蓮の台(うてな)に上がることができ、死後地獄に落ちず成仏できるという津軽の言い伝えが紹介されている。

 開花の音を聞けば必ずその人一代の開運必定、それで公園の濠や寺の池では早朝から明け方まで大勢の人が集まったという。

 濁った水の中に開くピンクや白の蓮の花は、確かに清浄な雰囲気を漂わせている。浄土宗では「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽往生できるといい、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」という題目を唱える。仏の教えが清明な蓮の花に例えられているのだ。

 なんだか不浄で不安なことがあちこちで進行中の世の中。誰か、蓮の花の開く音を聞いているだろうか。

(田中則夫)