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作成日 2018.11.07

この記事の分類 府中絵日記, 映画評

日日是好日

映画『日日是好日』評2018年11月7日(水)
 樹木希林さんの最後の映画となった『日日是好日』の中で雨のシーンが数回出てきます。この映画、四季彩(いろど)りを映すシーンも多く、茶室から見える障子ごしの四季も、女優さんの静の動きに華をそえていると思います。

 黒木華、多部未華子さんの若い二人が悩みながら成長していくドラマで、茶道を通して学ぶうちに「すぐわかるもの」と「すぐわからないもの」の二種類がある、すぐわからないものは長い時間をかけて少しずつ気づいてわかってくる。と、そう悟るまでの道のりの話ですが、その話に欠かせない、茶室に掛けられている花や掛け軸も見所になっています。

 その掛け軸の中に「聴雨」という言葉が出てきます。(雨の日は雨を聴く)という意味です。(雨の日は雨を聴く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを。五感を使って全身でその瞬間を味わう)という、つまり日日是好日という言葉の意味でもあります。

 映画では黒木さん多部さんのはじけるような動きが茶室の静の動きと対比をなし、その静と動の振り幅が魅力にもなっています。日日是好日という言葉、中国では「天天是好日子」と言うそうです。

(佐藤基容志)