郷土の森のあじさい | 府中まちコム
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作成日 2020.06.20

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

郷土の森のあじさい

2020年6月20日(土)

梅雨の晴れ間。さほど暑くもないので、紫陽花が見頃だという郷土の森へ行った。

毎年この季節になると誰からともなく集合の声がかかり、紫陽花にかこつけた遠足兼飲み会が開かれるのだが、今は仲間の多くが遠出を控えたり、家族から止められたりしている。

今年はいつもとは勝手の違う、「密」を避けての単独ツアーだ。

緊急事態宣言が解除された後の土曜日で、券売り場には行列ができていた。外に出たくてうずうずしていた人が、自分も含めて、多数いたということなのだろう。

いわゆる花の名所は人波に揉まれて歩かされるような感があるが、郷土の森は歩き方が決められているわけではないので場所によっては人の姿が見えないときもあり、解放感を感じる。水車の音を聞きながら小川のほとりで休んだり、写真を撮ったり、のんびり楽しめるのがよい。もっとも今年は名だたる観光地でも人出は少ないのかもしれないが。

新鮮に感じたのは移築された古民家や古い建造物の庭先に無造作に茂っているかと思わせるような紫陽花のたたずまいだ。建物と花の、気取って言うなら、マリアージュ。人の暮らしと花との関係にあらためて思いを馳せた。

(田中則夫)