250円の戦闘 | 府中まちコム
府中まちコム

この記事について

作成日 2020.12.28

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

250円の戦闘

ネギの奪い合い

2020年12月28日(月)

府中駅高架下の野菜販売所の年内最終営業日。ごっそり買うつもりで、いつもより少し早めに順番待ちの列に並ぶ。在庫はそこそこ豊富にあり、想定外のものも並んでいたので、家族に欲しいかどうか聞こうと電話をかけた。

話している最中に目の前で喧嘩が始まった。どうやら手にとって比べていた250円のネギの2把の片方に、あとから来た人が手をかけたらしい。

「私が選んでいるところなのに、見えないの!」と物凄い剣幕のご婦人と、「いえ、気がつかなかったので」と、とぼける、しかし謝らないご婦人と、どっちもどっちのようだった。お店の人も完全に無視している。

ネギは他に3箱分くらいあったので何もそんなことで喧嘩しなくてもと思ったけれど、自分だったらやはり腹が立つだろうし、他の人が持っているネギが何だかとても良いものに見えて、つい手をかけてしまう気持ちも分からないでもないし、マスクをしていても唾が飛びそうな怒声は感染も怖いし、複雑な気持ち。

250円の、たかがネギされどネギ。コロナのせいで色々な影響があるけれど、殺伐とせず、もう少し、ほんの少し余裕を持てるといいかなあと、自分のことは棚に上げて考えた。

(浅田るい)