時の流れゆくままに・12 | 府中まちコム
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作成日 2022.02.13

この記事の分類 府中絵日記

時の流れゆくままに・12

   《 灯  火 》   

誰も知らない
遠いとおいところから
時の翼に育まれて
私達はやってきた
小さな灯火を守りながら
皆それぞれに旅してきた

そして出逢いやがて誓った
遠くへと続くというこのたまゆらを
互いの光で照らし合うことを……

誰もまだ還ってきたことのないという
この不可思議な道をさす
道標(みちしるべ)に促されて
手を取り歩んでいくために……

眼から時間が流れるときは
夢が切なく喘ぐときは
心ひそかに灯し来た
光を高く掲げたまえ

生きるという営みは
深まる闇のあちこちで
凍る夜風に揺れながら
息づきともる灯火が
光の糸で紡ぎ合う
小さなちいさな詩(うた)だから
小さなちいさな虹だから

たまには拙い詩でもと思いつつ――筆者
(本田成親)