映像のインパクト – 『アンストッパブル』(2011年公開) | 府中まちコム
府中まちコム

この記事について

作成日 2023.11.17

この記事の分類 府中絵日記, 映画評

映像のインパクト – 『アンストッパブル』(2011年公開)

2023年11月17日(金)

列車を題材にした映画はいくつもあるけれど、ハラハラドキドキ感を演出しているこの映画のカメラワークに◎(二重丸)をつけたいぐらい、魅力ある映画です。

操車場に停車中の貨物列車が整備員のミスによって無人のまま走り出します。この列車は化学薬品を積んでいて、人口密集地へと向かって走り出していくという、暴走列車のドラマを描いています。

難局に立ちむかう機関士と新米車掌の動きを、カメラは空から、前から、後ろから、さらに横から、社内から、列車の下から、機関車に接近したり離れたりと、アプローチを変えながら追います。カメラワークのアングルは、スピーディに移動や視点の変化を見せてくれています。

そのカメラワークに引きこまれていくような画面構成が、この映画の魅力でもあります。カメラの眼はたえず人物や、機関車や線路、メーターや車輪の動き、又はブレーキの火花などなどを映し出します。映像と音が重なり合って迫力を作り出し、味わいを深めています。

つまりお客さんを引きこむテクニックとして、映像をゆっくりと又はすばやくスピンをかけて変化あふれる画面を展開することで、スリルと感動を生み出していると思います。

(佐藤基容志)