書き初めで「立春大吉」と書く、しきたり | 府中まちコム
府中まちコム

この記事について

作成日 2023.12.31

この記事の分類 府中絵日記, 生活

この記事のタグ

, ,

書き初めで「立春大吉」と書く、しきたり

2023年12月31日(日)

「立春大吉」というお札を見かける機会はあるだろうか。たまに帰省すると、見慣れぬものに気づくことがある。しきたりを守って、「立春大吉」のお札を神社で買ってきて貼ったり、自分で書いて貼ったりしている家がどれくらいあるのか見当もつかないが、実家の弟は父から引き継いで、毎年お正月の1日か2日に書き初めをしている。この1年の無病息災や厄除けを祈念しながら心を込めて書く、というのが肝だ。サイズは問わないが、半紙を横置きにして4分割程度のサイズに筆で書き、そして1年間貼って、毎年新しく書いたものと貼りかえる。

「立春大吉」の文字は左右対称なので、半紙の表からも裏からも同じように見えることから、鬼がお札のある家に入って、ふと振り返ってその「立春大吉」を見直した時に、文字の表側から見ていると勘違いして、すでに入っているのに、この家に入ろうとして、逆戻りして出て行くことになる、という由来らしく、1年を無事に過ごすことができるように、という祈念がこもる。

「立春大吉」はお正月ではなく2月の立春の日に書く方が多いと思うが、「日の出鶴」は見かけない。すでにすたれてしまったのか、はたまた、初日の出と鶴の組み合わせは定番の縁起物だから、もしかしたら飛翔や長寿にあやかろうという、先祖独自の発案が受け継がれてきたのかもしれない。

(森井マサ子)