街路樹、冬の景観美 | 府中まちコム
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作成日 2024.01.31

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

街路樹、冬の景観美

2024年1月31日(水)

晩秋から早春にかけて近所を散歩すると、葉を落として枝だけになった街路樹の姿を目にすることがある。その枝ぶりが冬晴れの空に浮かび上がって、「これもまた美しいな」と、見上げる楽しみはこの時期ならではのものだ。

そのシルエットが、丸みを帯びた、同じような形をしていることにはあまり意識をせずに眺めていたが、今回、この記事を書こうと思ったのは、集合住宅4階相当の高木に、高所作業車に乗って、剪定作業が行われている作業現場を目撃したからだ。

「そうか、大木のシルエットも丸みを帯びて、美しく整えられているのは、こうやって、高いところまで人間の手が入って、計画的に整えられているからなのだ」と、はたと思いあたった。高所作業車が不要な高さの剪定作業はよく目にするが、公園などの大木も美しいのはこんな苦労があったからこそだ。

さらに調べてみると、剪定は、並木の統一美や街並みとの調和を考慮しながら、道路という限られた空間の中で「その木らしさ」を感じさせる樹形づくりが目標らしい。よって、丸みの形状も樹種によって異なり、目標に沿って、生育サイクルを守りながら仕立てられる。行き当たりばったりの無計画さとは真逆の、緻密な長期計画と資金と実行力に裏打ちされていたとは、調べるまで思い浮かばなかった。まさに行政の力と見事な職人技で、景観が維持されているというわけだ。

(森井マサ子)