夜の市民プール | 府中まちコム
府中まちコム

この記事について

作成日 2024.08.05

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

夜の市民プール

2024年8月5日(月)
年上の友人に誘われて初めて寿町のナイタープールに行ったのは20年ほど前だったか、カナヅチから脱して水泳がおもしろくなり始めた頃だった。

当時の市民プールは飛び込みを禁止しておらず、友人は何度も豪快に飛び込んでいた。「やってみなよ」と言うので、プールの縁に立ってはみたが、怖くて踏み出せない。何度か挑戦しようとしたが、そのたびにひるんだ。彼女は大笑いした。
「あんた、ホントに臆病だねえ」
そのうち、監視員の青年がやってきて、やめた方がいいという。即、やめた。

彼女とは生涯学習センターのプールで知り合った。運動が大の苦手でずっと競い合いを避けてきたのを察しているのかいないのか、彼女は言った。
「向こうの壁までどっちが先に着くか競争しようよ」
うっそー。仰天した。彼女に促されるまま素直に競争に応じた自分自身に驚いた。

プール遊びの楽しさを、そして屋外夜間水泳の気持ちよさを教えてくれた、その友人が亡くなって数年が経つ。季節がやって来るたびにその人柄がなつかしく思い出される。彼女に会えるならば伝えたい。「あれから、いくらかマシに泳げるようになったよ」と。「遅いけど50メートル往復しています」と。飛び込みをやる気はないけどね。

(関口まり子)

令和6年度市民プールの予約について