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作成日 2015.06.14

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

大嶽電機

大嶽電機2015年6月14日(日)
 旧甲州街道の八幡宮あたりを通りかかるたびに、気になってしょうがない建物がある。整然と立ち並ぶビルの間に、楠の木が2本そびえ立ち、道路に覆いかぶさるように葉を茂らしている、その奥に、今にも崩れ落ちそうな4階建ての大きなビル。錆びた鉄筋があちこちで剥きだしとなり、蔦が壁を這い上がって屋上まで呑み込もうとしている。

 敷地内には大作の絵画や彫刻など、芸術作品が雨ざらしのまま放置されている。楠の木の下にはベンチも置かれているので、誰かが作品を眺めて楽しむこともあったに違いない。しかし、作品は刻々と劣化が進んでいる。

 敷地内には立派な箒が立てかけられているから、きっと世話をしている人がいるのだろうが、これまで人影を見たことがない。何とも奇っ怪で、けれども魅力的な建物ではある。

(田中則夫)