三日月とコウモリとナイタープール

2014年8月2日（土）
　市民プールの夜間解放が今年も始まった。涼を求めてやってくる人達で大賑わい。日中の暑さが半端でないので真っ暗になっても水温はぬるく、遊ぶにはちょうどよい。「もう帰ろうよ」と言う若い父親に「やだ、もっといる」と坊やが駄々をこねている。

　一斉休憩の頃になると周辺はすっかり闇に包まれる。木々のシルエットの上にかかる三日月、水面近くを乱舞するコウモリを眺めながら、夜の屋外プールはつくづくいいと思う。お一人様が何の違和感もなくプールサイドに溶け込んでいられる、その雰囲気が私は好きだ。

　50メートル単位で泳ぐ機会が少ないこともあって、毎年、このナイタープールを楽しみにしているのだが、今日はスポーツジムで時おり会う男性に見つかってしまった。

　こっそり練習していた苦手の平泳ぎを彼は知らぬ間に観察していたらしく、「脇の締め方が甘い」と親切に助言してくれた。ちょっと恥ずかし。しかし、知り合いに思いがけなく出会うのも「また楽しからずや」である。

（関口まり子）