府中まちコム

この記事について

作成日 2015.09.21

この記事の分類 府中絵日記, 美術・工芸

フランスカワイイ Marie Laurencin マリー・ローランサン展

マリー・ローランサン展2015年9月21日(月)
 敬老の日。70歳以上の市民は「敬老の日」大会の案内状が入っていた封筒を府中市美術館の受付に提示すると無料で観覧できる。

 今年の企画展はマリー・ローランサン展。実は苦手だ。モヤモヤした女性ばかり描いていて、甘ったるいと思っていた。無料でなかったら、たぶん見に行かなかっただろう。

 入場してすぐ、初期の自画像にエッと驚いた。美しいとは言えない。容姿に劣等感を抱いていたというが、意地悪そうな吊り目で、鼻の下が長い。唇は腫れぼったく、少し出っ歯に描いている。それが次第に美人に描かれるようになるのは、一流の芸術家達との交流によって才能を開花させ、時代の寵児となった自信から来るのか。

 絵にはピンクが多く使われ、女性たちは柔和で愛くるしく見えるが、全体が灰色味を帯びたパステルカラーに包まれている。しかし、どの人物も目だけはくっきりと描かれている。どこかを見つめているようだ。不安と絶望と悲しみを宿しているようでもある。その目は画家の目であるかも知れない。本当は、女性の可愛さや柔らかさよりも、人生の虚しさを伝えたかったのではないだろうか。

 出口に展示されていたポートレートを見てまたエッと驚いた。目のパッチリした、笑顔の愛らしい人だった。

(田中則夫)