府中市美術館デビューの記 - 歌川国芳展 | 府中まちコム
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作成日 2017.04.08

この記事の分類 府中絵日記, 美術・工芸

府中市美術館デビューの記 - 歌川国芳展

府中市美術館の歌川国芳展2017年4月8日(土)
 京王線を利用している。杉並区内のアパートと職場を往復する短い区間だが、車内で見る府中市美術館のポスターが気になってしかたなく、吸い寄せられるように、いつもと逆方向の電車に乗った。線路が調布で二股に分かれるのを知らず乗り過ごし、乗り直してやっと府中駅にたどり着き、ちゅうバスで美術館へ。

 国芳展は前にも開催されたらしい。「21世紀の絵画力」と副題の付いた今回は2部編成で、第一部は本日終了。館内はところどころで人がつかえていたが、行列が遅々として進まないというほどではない。

 都心の美術館は入館料がバカ高い割に目玉作品が数点しかなく、がっかりすることが多いが、ここは展示作品が思った以上に多く、しかもどれも見応えがある。説明もわかりやすく、流れがすんなりと頭に入ってくるので読み飛ばす気になれず、絵を見ては説明を読む、読んではまた見るを繰り返して、「一粒で二度おいしい」充足感を味わった。

 国芳の絵は江戸時代とは思えないほど現代的だ。奇想天外な題材にも驚くが、ヘタウマな面も微笑ましく、猫が大好きだったり、時の権力者をおちょくって捕まりそうになったりと、その融通無碍ぶりに惹かれる。第2部も見たいと思った。

(金井純子)