「焼く」から「煮る」へ | 府中まちコム
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作成日 2019.09.20

この記事の分類 府中絵日記, 講座・スクール

「焼く」から「煮る」へ

第1回講座の配布資料より

2019年9月20日(金)

 「旧石器時代時代から縄文時代へ ~環境の変動と人々の適応へ~」と題する全5回の歴史講座が始まった。古代の気候変動や環境変化、文化の成り立ちなどの講義に加え、埋蔵文化財調査センターの見学もあるというので申し込んだのだが、会場のたましん府中支店会議室は超満員。歴史好きがこんなにもいるのかと驚いた。

 縄文時代の起源は、炭素測定法などの技術が進歩した結果、従来の説より4000年ほど前に遡ることがわかってきた。縄文といえば土器だが、日本列島最古の土器が見つかったのは青森の大平山元Ⅰ遺跡で、16500年から15000年くらい前のものとされる。

 石器しかなかった時代、獲物の肉は生のままか、焼くか、乾燥させて食べていた。最終氷期が終わる頃、気候が温暖化すると植物が生育し、狩猟や漁猟だけでなく植物採取が始まる。土器が発明され、煮るという調理法が加わると、それまで食べられなかった魚の骨や木の実が調理できるようになる。

 配布資料の想像図には土器で煮炊きしている人々の姿が描かれている。調理法や食べ方が変わるにつれ、住居や着衣など生活の様々な側面にも変化が生じていったのだという。そして文化が育った。興味深い話だ。次回が楽しみである。

(田中則夫)