かけこみ亭 | 府中まちコム
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作成日 2020.10.24

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記

かけこみ亭

2020年10月24日(土)

酒も飲めず、音楽にも疎いが、人に誘われるまま、谷保の居酒屋風ライブハウス「かけこみ亭」に行った。閑散とした裏通りのビルの地下を、まるでモグラのように奥へ下へと降りた先に異空間出現。壁面や天井に隈なく貼られたポスターやチラシ、棚には書籍やCDに混じって得体の知れない飾り物、楽器、音響機器多数。

ここはあらゆる人に開かれた「本音を言い合える大人の居場所」なのだとマスター、ぼけまる氏は言う。コミュニティカフェのようなものか。昼間は貸しスペースとして楽器の練習や会合に使われ、夜は演奏会やトークイベントが開かれたりする。

オープンは30年ほど前、すぐにバブル崩壊が始まった。何度か経営の危機に見舞われたが、どうにかこうにか荒波を乗り越えてきた。

今はコロナ騒ぎの真っ只中。狭い地下室はただでさえ「密度」が高いので敬遠する人も多い。ときには客に帰ってもらうこともある。今年の波はいつになく激しく、この小舟を翻弄している。

しかし、人には居場所が必要というぼけまるさんの信念は不変だ。この先どうなるかわからないと言いつつ、彼は歌う。
「踏まれても、踏まれても、何度でも蘇る~(『雑草音頭』)」

(関口まり子)