桜の林の満開の下 | 府中まちコム
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作成日 2021.03.24

この記事の分類 場所・施設, 府中絵日記, 自然・動植物

桜の林の満開の下

sakura_asada20210324

2021年3月24日(水)

花見の季節だが、緊急事態宣言が解除されても人混みが怖い。墓地も夜は怖いのだが、大抵いつも空いている。そして多磨霊園には桜並木がたくさんある。

いつ死ぬか分からない、とコロナ禍で改めて考えた人もさぞ多かろう。私も例にもれず、息子に生命保険証書のありかを教えたり、墓など要らないと伝えたのがつい先日。

が、花を見に来たはずが個性溢れるオブジェクトに目が行って、碑を読めばそれぞれのドラマティックな人生を想像してしまう。なるほど、後世にエンタメを提供することには意味がある。

自らの銅像を鋳造し「俺はこれほど偉いのだ」と墓誌に刻む自己顕示欲旺盛な墓の主は、生きている時はさぞや鬱陶しい奴だったに違いない。なんて、赤の他人にそんな感想を抱かせるとは、してやられたり。

うららかな春の陽射しに桜を眺めつつ、呑気に他人の生を知る。土の下に埋まるカラカラに乾いた骨を思うと、死そのものも乾いていくような気がする。

(浅田るい)