府中のウマ娘たち

2021年5月9日（日）

『ウマ娘 プリティダービー』というスマホゲームが大流行中で、日本でしか展開していないのに世界第三位の売上達成というニュース。名の知れた競走馬のカードを集めて、トレーニングを積んでレースに出走させファンを獲得し、交配してより強い競走馬にしていくという内容だ。

そこまでは割とよくあるのだが、他と違うのは競走馬が（雌雄関係なく）アニメ画のカワイイお嬢さんでキャラクター化されていること。アニメ番組が先行放映されていて、それぞれの競走馬の背景となる物語がゲーム内でムービーになっている。

実はブーム初期に少し遊んでみたのだけど、細部までよく作り込まれていてやりこみ要素が強く、嵌ると時間と資金を搾り取られると感じたので、すぐにやめた。売れているというのも頷ける。

さて、府中の取り柄はなんと言っても緑陰で、５月となれば散歩の季節。先日は久しぶりに競馬場方面へ向かった。競馬が開催されていなければとても静かで、散策する人か掃除をする人くらいしか見かけないのだが、なんと東府中駅前から競馬場の前の通りの交差点で、「出待ち」をするカメラ小僧の人を見かけた。

こんなところで何を撮るのかと眺めていると、競走馬が載せられたトラックを激写している。競走馬運搬中と馬の名前が表示されているのでそれと分かるものの、顔は見えないのにまるでアイドル扱いだ。

慰霊塔の周辺には馬主の方が建てた、かつて活躍した競走馬の立派な石碑が林立していて、無縁仏となる人間様より畜生である馬の方が上等とは如何なものかと一寸思いはしたものの、現実をよくよく見れば御馬様の方がむしろよほど稼いでいて、人々に夢と希望を与えていて愛されているのだった。

（浅田るい）