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作成日 2021.08.10

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

けやきの目は泪

2021年8月10日(火)

見事な青い空と緑の枝を撮ろうとして、通りの並木の一本だけが茶色に変わっていることに気がついた。

その隣の木は先月か先々月に刈られてしまい、切り株だけが残っている。さて、隣人がいなくなって悲しみのあまり息絶えてしまったのか、切ないね、と思ったのは7月の終わり。

所要で郵便局に行くと、もう刈り取りの工事が進んでいた。あっという間に、枯れたけやきがいなくなり、広く空いた場所に強烈な夏の陽射しが注がれる。

トラックに積み込まれた、けやきの丸太の美しく整った断面から水が滴っていた。まるで泣いているかのようだった。

(浅田るい)