桜の世代交代 | 府中まちコム
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作成日 2021.09.23

この記事の分類 府中絵日記, 自然・動植物

桜の世代交代

2021年9月23日(木)

府中第一小学校の東側沿いに続く「郡役所通り」の、桜通りから甲州街道までの区間は約200メートル、ほんの短い距離だが、晩春は桜吹雪、夏は日差しを遮る緑の葉叢が何とも心地よく、自然と歩調が緩んだものだ、つい最近までは。

桜の植え替えが桜通りとその周辺で進んでいる。老齢化したソメイヨシノに代わって、枝の広がりにくいコシノヒガンという品種を植えていくのだそうで、郡役所通りの一角でも、貫禄たっぷりの大木は小学校前の歩道橋近くと桜通り側の交差点際に数本を残すのみとなった。その数本も10月には伐採されるそうで、「ご理解を」と書いた貼り紙がくくりつけられている。

植え替えたばかりの桜はまだ若く、やや頼りなげだが、街路になじんでモダンな風景を作っている。敷石をでこぼこに持ち上げていた根も抜かれ、躓いて転びそうだった歩道は平らに舗装されて歩きやすくなった。

まだ真夏かと勘違いしそうに暑い日が続く、地球温暖化真っ最中の今は、車道まで覆い尽くすような鬱蒼とした桜並木の消失は無性に恨めしく感じるけれど。

老木はいつか消える。そのうち自分も老いて去る。世代交代、後はよろしく。

(関口まり子)