平和展 | 府中まちコム
府中まちコム

この記事について

作成日 2022.03.06

この記事の分類 イベント・祭り, 府中絵日記

平和展

2022年3月6日(日)

市民活動センター「プラッツ」で「平和展」開催中。

東京大空襲を体験した人たちや、子どもの頃に悲惨な光景を目にした人たちが後年になって描いた作品が展示されている。

B29から雨あられのように落ちてくる焼夷弾。東武線の長い鉄橋をなめるように伸びる炎の帯。家並みが真っ赤に燃える中を逃げまどう人々。防火用水桶に浸かって死んでいる母子。プールや池に浮かぶ無数の焼死体。側溝に子供の手だけが流れていくのを呆然と見ている2人の兵士。遥か遠くに赤く霞む東京の空を眺めている茨城の人たちのシルエット。

黒く焦げた死体が道路脇に並ぶ、その道路の真ん中にまるで泰西名画の裸婦像のように真っ白な裸の女性が横たわっている。鉄骨だけ残った火の見櫓の下で立ったまま5人が固まって死んでいる。衝撃的だ。

作者たちはトラウマを乗り越えるべく、あるいは後世に伝えねばならぬという使命感から、やっとの思いで絵筆を握ったのだという。その色使いにも、添えられている言葉にも圧倒される。戦争はだめだと、力を限りに訴えている。

(田中則夫)