府中市美術館「インド細密画展」 | 府中まちコム
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作成日 2023.09.23

この記事の分類 府中絵日記, 美術・工芸

府中市美術館「インド細密画展」

2023年9月23日(土)

高齢市民の入館料無料(敬老行事の一環)という恩恵に浴するようになってから、毎年楽しみにしている府中市美術館の秋の展覧会。今年は17~19世紀インドの細密画がずらり120点、見ごたえのある展示で、案内ちらしにある通り、絵との対話を楽しませていただいた。

ハンカチより小さい面積に微細に描かれた絵を、目を凝らし、解説と交互に何度も見る。歴史や宗教に関する知識もなく、以前見たアニメ映画『ラーマーヤナ』の内容もすっかり忘れているので、ていねいな解説がありがたい。

で、その説明書きに刺激されて妄想が膨らむ。鮮やかな色使いや滑稽な絵柄にもかかわらず、何だかわけのわからない、不気味な世界に引きずり込まれるような、ちょっと怖い感覚。リアリティを無視する、漫画のような、奇妙な雰囲気に魅了される。

美術展の図録を買う習慣はないのだが、ミュージアムショップで目にして、つい買ってしまった。物語の世界が無限に広がる快感を何度も味わいたい(実はと言うと、最近老眼の進行著しく、薄暗い館内で小さい作品を細部まで十分に確かめられなかったのです)。

府中市美術館

(関口まり子)