映画評論家白井佳夫さんのこと | 府中まちコム
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作成日 2025.05.24

この記事の分類 府中絵日記, 映画・演劇・TV

映画評論家白井佳夫さんのこと

2025年5月24日(土)

白井佳夫さんが昨年10月に亡くなっていたことを『ラジオ深夜便』で知った。享年92歳。早稲田の映研時代に黒沢映画『蜘蛛の巣城』のエキストラに応募、監督自らが立ち合った。カメラ3台で撮影した後に穴を掘って見上げた視点からも撮影。都合6台で撮られたフイルムの中から編集していたことを知る。後に監督に君は見たことあるな、と聞かれその時の話をすると自分の現場を知っているのかと信用してくれたとか。

映画誌『キネマ旬報』の編集長に抜擢された白井さん、池波正太郎さんに高い原稿料は払えませんよと言うと中学からキネ旬読んでる映画好きで映画のことを書けるならただでも書くよと快諾。

五木寛之さんは予定詰まってるけど今度野坂さんとすき焼き屋で映画の話をするからカメラと速記者を連れてきなさいと対談記事ができた。

ひらの編集者10年、編集長8年半の後突然の解任。しかしそれが歯に衣着せぬながらも映画愛にあふれたTVの映画解説、映画評論家としての仕事につながる。

戦後高校に厚木まで通っていた時進駐した兵隊が乗ってきてコーラをくれた話。アメリカ映画イギリス映画にはまったが小津作品で日本映画も見るようになった話。

亡くなったことともうひとつ知ったのは白井さんが神奈川県出身で高校の先輩だったことだ。先輩すいません。というわけで白井さんの本を読み始めている今日この頃である。

(絵と文 小嶋伸一)