百恵さんの自叙伝『蒼い時』の舞台裏 | 府中まちコム
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作成日 2025.06.20

この記事の分類 府中絵日記, 映画・演劇・TV・ラジオ

百恵さんの自叙伝『蒼い時』の舞台裏

2025年6月20日(金)
「ラジオ深夜便」を聴く。ゲストは残間里江子さん。アナウンサーから女性誌の記者を経てプロデューサーとして独立、小さな事務所を構えたばかりの頃に百恵さんの引退が報じられ、手紙を書いた。

読んでもらえるとは思っていなかったが本人から返事が来た。手記の依頼が40件来ていたが、ほんとうの気持ちを自分で書きたいので手伝って下さいという丁寧な手紙だった。

所属するホリプロ社長の許諾を得ること、きれいごとは書かないことを残間さんは条件に出した。引退ツアーで全国を回る中、百恵さんは校正作業にまで立ち合い、公演終了後の深夜から明け方までかけてついに脱稿。

原稿は夫になる三浦友和さんと複雑な事情で苦労して百恵さんを育てたお母さんに読んでもらい、承諾されなかったらこの話は無しという事に出版社とは取り決めていた。原稿を持って帰った百恵さんからの電話は一言。
「いいって」

お母さんはさぞ引退に猛反対だったのではと、残間さんは聞いたことがあるという。
「今みたいな幸せは百恵のお陰。ひとつの迷いもない。娘が決めたことには従いたい」
この親にしてこの娘。

デビュー時からファンだった百恵ちゃんは駆け抜けるように引退した。話題になった自叙伝も読まないまま、残間さんの番組を聴いていたのだが、このたび初めて、プロデュースした人だと知った。知らなかった事がつながっている、とラジオを聴いて甚だ驚いた次第である。

(絵と文 小嶋伸一)