時の流れゆくままに・40 | 府中まちコム
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作成日 2024.06.06

この記事の分類 府中絵日記

時の流れゆくままに・40

 「天使の辞典」草稿より抜粋

(勇ましい)
なりふり構わず、己の本性丸出しで振舞う有様のこと。そのためには男女共に真裸で衆人の見守る場に臨むことがベストなのだが、残念ながら現代社会ではそれは許されない。万が一にもそんなことをしてしまうと、風紀違反で警察に拘束されてしまいかねないのが現今の実情なのである。かつては芸術系某大学院に伝わる伝統的行事の際に、女子学生や女子教員らも見守るなかで、一部の男どもが文字通りのストリップ状態で壇上に上る儀式があったりもしたが、現在もその伝統が維持されているか否かはわからない。ただ、そこは芸術系の大学だけのことはあって、当時の女子の在籍者らは皆平然としてその有様を眺めてもいたものである。

(栄華の極み)
どこまでも心の飢えと不安にさいなまれ続ける厳しい精神的状況を抱える人間にしか到達できない窮極の境地。その境地へと向わんとする途中、少しでも安穏や至福の感に包まれたりした人間は、その時点で「栄華」を目指す資格を喪失する。尽きることなき猜疑心や被害妄想癖、他者に対する憎悪癖などはその境地へと達するための必要条件でもある。換言すれば、それは、尽きることなき人間の煩悩が結合集積して築き上げる、極悪非道で醜悪このうえないモニュメントなのである。

(起きる)
否応なく生き地獄の中に戻されること。「寝るは極楽、起きるは地獄」という言葉があるように、厳しい日々の暮らしを一切忘れて安眠していた「極楽界」から、諸々の苦渋と苦悩の溢れる現実生活、すなわち「地獄界」へといきなり引き戻されることを言う。そうであるならば、眠っている人間はそのまま永眠してしまうのがベストなのかもしれないが、そうばかりもいかないところが人生の厄介なところでもある。

(本田成親)