随想 | 府中まちコム
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随想

時の流れゆくままに・51

「天使の辞典」草稿より抜粋 (撒き餌)常々は人前で清廉潔白な振舞いを心掛けている人間であっても、絶対他の誰にも知られそうにない場所に転がっている利権の類を目にしたりすると、すぐさまそれに飛びついてしまうものである。裏を返…

時の流れゆくままに・50

 「天使の辞典」草稿より抜粋 (火)神秘的美しさと比類なき残酷さとを同時に秘め持つこの世の妖術師。その不可思議な輝きで、見る者の心を魅惑し感動させる一方で、残虐そのもの魔性の炎をもって生きとし生けるものを焼き尽くし絶滅さ…

時の流れゆくままに・49

「天使の辞典」草稿より抜粋 (願い事)古来、この国では神社などに出向いて自らの願望の実現を願う風習がある。お賽銭を奮発しながら願望を心中で呟いたり、絵馬を買い求めてそれに自筆で願い事を記したりしながら、夢の実現や幸運の到…

時の流れゆくままに・48

「天使の辞典」草稿より抜粋 (内面)端的に言うと、多岐多様にわたる自らの思いや経験を善と悪、真と偽とに漉し分けたあと、善と真とはこれ見よがしに放出し、残った悪と偽とを濃縮させた塊のほうは、極秘のもとにそっと保管し続け、墓…

時の流れゆくままに・47

「天使の辞典」草稿より抜粋 (追随する)人間が自由意志を持つということは、想像以上に困難なことである。たとえ自由に生きる権利を手にしたとしても、それを駆使することは極めて難しい。その結果、多くの場合、人々は「自由からの逃…

時の流れゆくままに・46

 「天使の辞典」草稿より抜粋 (手紙)一昔前までは、細長い竹筒先に動物の毛のついた墨汁吸着用器具や、一万年にわたって使えるとかいう特殊液体吸排出性の筆記用小道具、鋭く尖った変形ハート型小金具の先端を時々液体入りの小瓶に浸…

時の流れゆくままに・45

「天使の辞典」草稿より抜粋 (総理大臣)別称「総離大尽」ともいう。そのわけは、「大尽」すなわち、お金持ちのお偉いさんではあるが、時が経つごとに総ての人々の心が離れてしまう「総離」現象が生じるからである。どうせなら、「葬利…