随想 | 府中まちコム
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随想

時の流れゆくままに・16

いま5月23日の午前5時過ぎ――初夏の爽やかな大気に全身を包まれながら、眼下に広がる太平洋の朝明け光景を見下ろしている。空は薄曇りで静かな海面(うなも)を赤々と照らす朝の陽光こそ見られないものの、その穏やかな情景を目にし…

時の流れゆくままに・15

2022年5月13日(金) 久々に山梨県側に属する多摩川源流域を訪ねてみた。青く澄んだ清冽な水は、泡立つ激流となって急峻な谷間を一息に駆け下る。そんな源流域の光景を眺めやっていると、すっかり忘れ去っていたものを想い出しハ…

時の流れゆくままに・14

2022年4月13日(水) 直木賞作家の乃南アサさんから新著「続・犬(いぬ)棒(ぼう)日記」(双葉社刊)が贈られてきた。「犬も歩けば棒にあたる」の諺に因(ちな)むその書名が物語るように、それは彼女が日常生活を送るなかで偶…

時の流れゆくままに・13

2022年3月13日(日) ここ2年ほど、府中市プラッツ6階会議室において、1ヶ月半に1回ほどのペースで「日本一役に立たない教養講座」という風変わりな自主講座が開かれている。そして、私自身も「リベラルアーツの会」というそ…

時の流れゆくままに・11

2022年1月13日(木) 昨年11月12日、府中の森芸術劇場ふるさとホールにおいて、「平野啓子語りの世界 ― 源氏物語・愛と罪」が催された。平成9年度に文化庁芸術文化大賞を受賞し、現在は大阪芸術大学教授を務める平野さん…

時の流れゆくままに・10

2021年12月13日(月) ――恋愛とは美しき誤解であり、誤解であっても差支えありませぬ。そして結婚生活とは恋愛が美しき誤解であったといふことへの、惨憺たる理解であります。――  この辛辣そのものの一文は、私がまだ学生…

時の流れゆくままに・9

2021年11月13日(土) 仲秋の名月の観られた夕刻のこと、私は関戸橋下流側の多摩河原に出向き、水辺近くの草叢脇に独り坐り込んで望月が昇るのを待つことにした。東の空には幾らか雲はかかってはいたが、幸いにも、薄雲の大きな…